
ラブストリーは、イケメンアイドルやきれいな女優さんが主人公をつとめてて、胸がキュンキュン。
わきを固める俳優陣も圧倒的な存在感で、ドラマを盛り上げます。また、社会問題に切り込む鋭さ、そんな中にも希望やユーモアを織り込んだストーリー展開。韓国ドラマの魅力は計り知れません。
ストーリーの背景や成り立ちなどを知って、韓国の社会を深く理解し、ドラマを味わい尽くしていきましょう。
韓国が芸能大国になった訳
韓国の芸能界が世界的な成功を収めたのは、俳優たちの努力や才能だけでなく、政府の積極的な支援や制作スタッフの高度な技術力によるものでもあります。ここでは、韓国の芸能政策や制作現場の裏側に焦点を当てて、詳しく解説していきます。
1. 韓国政府の芸能・文化産業支援策
韓国政府は1990年代後半から文化産業を国家の重要な成長分野と位置づけ、さまざまな政策を実施してきました。
① 金大中政権(1998年~2003年)の施策

金大中大統領は「文化立国」を掲げ、映画・ドラマ・音楽などのエンターテインメント産業を国家戦略として推進しました。具体的には以下のような施策が実施されました。
- 韓国映画振興委員会(KOFIC)の設立:映画産業の支援や育成を目的とした政府機関で、制作資金の支援や海外マーケットへの進出を促進。
- 文化産業振興基本法の制定:文化コンテンツの輸出を促進するため、税制優遇や資金支援を行う。
- 超高速インターネットのインフラ整備:デジタルコンテンツの配信環境を整え、ドラマや音楽のオンライン配信が世界的に広がる基盤を作る。
② 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(2003年~2008年)の施策

- 韓流(Hallyu)支援政策の強化:韓流コンテンツの輸出促進を目的とし、文化産業支援基金を設立。
- 韓国コンテンツ振興院(KOCCA)の設立:ドラマ、映画、アニメ、ゲームなど幅広いコンテンツの発展を支援。
- 国家ブランド向上のためのマーケティング:韓国ドラマやK-POPを使った外交戦略を展開し、韓国の文化を世界に発信。
2. 韓国ドラマ制作の裏側 – スタッフの努力と技術力
韓国ドラマが質の高い作品を生み出し続けるのは、俳優だけでなく、監督や脚本家、制作スタッフの努力があるからです。
① ドラマ制作の特徴
「事前制作方式」の導入:
以前の韓国ドラマは「ライブ撮影方式(放送直前まで撮影を続ける)」が主流でしたが、近年では事前制作方式が増え、撮影のクオリティが向上しました。
映画並みの撮影技術:
韓国のドラマ制作では、映画のような高精細なカメラ機材を使用し、シネマティックな映像美を追求しています。作りこまれたリアリティのあるセット、心奪われる美しい風景…これらの映像が見るものをストーリーに引き込んでいきます。
② スタッフの役割と努力
脚本の重要性:
韓国ドラマでは、脚本家の存在が非常に重要でドラマの成功を左右する存在です。なぜなら、ドラマはまず、脚本から作りこまれるからです。韓国では脚本自体に魅力がないとヒットしないとみられているので、製作に進みません。
斬新な素案を、しっかりと調査したうえでリアルに仕上げていく作業に注力しているそうです。何人もの人材と何年もの時間を費やして、しっかりとした完成度の高い作品を作り上げています。
シナリオ作りが学べるのは大学だけでなく、放送局が運営する学校や芸能関係を育成する専門学校など、社会人も挑戦できる教育機関が、数多く存在しています。
美術・衣装のこだわり:
歴史ドラマでは時代考証が徹底され、衣装やセットに莫大な予算が投じられます。現代劇でも、キャラクターのファッションやインテリアにこだわることで、視聴者の没入感を高めています。
3. 韓国俳優の育成システム
韓国の俳優たちは、デビュー前から専門的な教育を受け、厳しい競争を勝ち抜いています。
① 芸能関連の大学の役割
例えば、韓国芸術総合学校(1993年設立)は、俳優、映画監督、舞台芸術家などを育成する国立の芸術大学で、実践的なトレーニングを提供しています。中央大学、東国大学などの演劇映画学科も、多くの有名俳優を輩出しています。
② 俳優養成所の厳しいトレーニング
ドラマ制作会社や芸能事務所が運営する俳優養成所では、発声、表情の作り方、カメラ前での演技などを徹底的に指導します。オーディションを突破するためには、実力と個性の両方が求められます。
まとめ
韓国ドラマが世界中で愛される背景には、政府の戦略的な支援、高度な制作技術、俳優やスタッフのたゆまぬ努力があるのです。韓国のエンターテインメント業界は、単なる「流行」ではなく、長年にわたる計画的な投資と育成の結果、世界トップレベルにまで成長しました。
このブログでは、これからも韓国ドラマの魅力を深掘りし、俳優、スタッフたちの活躍や制作の裏側について語っていこうと思います!
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