サバサバとした母娘関係の中にある温かぁい愛情、人情味あふれるキャストたち、人生のリアルが詰まったストーリーが魅力的。そして、ストーリーの奥にある社会的背景もちょこっと語ります。
『ラブパッセンジャー~私たちの恋愛事情~』概要
ジャンル アットホーム、ちょっぴりラブコメ
監 督 イ・ミヌ (イ・ミンウ) 「シンデレラと4人の騎士」
脚 本 ミン・ソンエ (ミン・ソネ)
公 開 2023年
話 数 12話
配 信 U-NEXT
年齢制限 無
原 作 チョン・ヨンロンのWeb漫画
『남남(他人)』
見どころとおすすめポイント
愛すべきキャスト達との交わす会話が面白く、笑いあり怒りあり…。時には涙がジ~ン。穏やかなストーリー展開の中にも、しみじみと人生を考えさせられました。
娘を一生懸命育てたウンミ。
大変だったろうなぁ
ウンミの生き方に憧れるわぁ
母娘の掛け合いが楽しく、共感できるシーンが満載、うちの子もそんなことあったなって。
親離れ子離れ…それぞれが自分の道を見つけ歩む姿に背中を押された感じです。
また、韓国社会の変化や家族観の変遷を垣間見ることができます。
ストーリーと感想
『ラブ・パッセンジャー ~私たちの恋愛事情~』は、世間の常識にとらわれない自分に正直な母親とそんな母親に対して大人な目線でクールに対処する娘の物語です。
高校生の時に娘ジニを妊娠し、友人の手を借りながらも女手一つで育ててきたシングルマザーのウンミ(チョン・ヘジン)。一方、29歳になった娘のジニ(スヨン)は警察官。ウンミはアラフィフ、このままでは終われないと恋人を見つけたい気分。そんなウンミの前に初恋の人ジンホン(アン・ジェウク)が現れます。一方、ジニが左遷された職場には警察大学の先輩だったジェウォン(パク・ソンフン)が署長として着任していました。
そんな中、母娘にはそれぞれ試練が訪れることとなり…。
数々の紆余曲折のなか母娘は理解しあい、それぞれ新たな一歩を踏み出していくのです。
感情的になり傷つけあったとしても、互いを思いやる愛情にホロっと心温まるものを感じます。
ある日、会ったこともないおじいちゃんおばあちゃんが現れます。彼らは良かれと思って、ジニに援助を申し出るのですが…。それは彼女の意にそわないこと。また、ウンミを否定していること。そのため、彼女たちは席を立ちました。そしてウンミの彼氏は、ウンミとジニをおじいちゃん達から守ってくれます。親よりも長く暮らす人だもの、パートナーの味方になってくれないとね。そういう人とじゃないと人生を並走できないですよ。
以前の韓国なら、親の言うことは絶対なので従ったはず。断ったということは、韓国の社会も個人の気持ちを優先するべきだという風潮になってきているのでしょうね。
一人の人間として、みんなの生き方って千差万別で、自分の心から求めるものに応じた生き方をすると幸せになれるんだな。それには苦労したり、つらい思いもするけれど。それが自分を大切にすることなんだろうな。
ジニの初恋の男の子がいるのだけれど、彼のことも応援したくなりました。彼女たちが唯一自宅に泊まることを許してる理由も後半で判明します。お楽しみに。
主要キャストと魅力的なキャラクター紹介(文月セレクト)
チョン・ヘジン(ウンミ)

理学療法士の母親役。身長171cm。1976年生まれ。ドラマ上も同年代の設定。若かりし頃を思い出す場面が何度も出てくるのですが、若いスタイルも違和感なしにステキ!さすが女優さんです。
えっ、この年齢であのスタイル?
ご主人のイ・ソンギュンが出会ったばかりのころ「野の花のような人」と評したそうです。本当に可憐でかわいらしい、そんな中にも芯の通ったたくましさも感じられます。ご主人亡き後、気丈にお子さんを育てているのでしょうね。
尚明大学で演出を学び、劇団チャイムに入団した女優さんです。
「恋愛ワードを入力してください」(2019年)では大手ポータルサイトを率いるやり手のキャリアウーマン演じています。
チェ・スヨン(ジニ)

アイドルグループ「少女時代」のスヨンが、警察官になった娘役。
1990年生まれ。身長172cmとスポーツ選手みたい、抜群のスタイルです。さっぱりとした性格を表現するにぴったりなクールなお顔立ち。
少女時代の時はロングヘアだったよね。
中央大学校演劇映画学部卒。2002年から2003年にかけ、河村隆一プロデュースで日本で活動したこともあるそう。
「ファンレターを送ってください」(2022年)でヒロインをつとめています。
アン・ジェウク(ジンホン)

ウンミの初恋の人、ジンホン役。じつは、耳鼻咽喉科のお医者さん。
1971年生まれ。身長176cm。
ソウル芸術大学卒業。ミュージカル俳優
「マウス~ある殺人者の系譜~」(2021年)では、彼は天才的な脳神経外科医で残忍な連続殺人犯でもあり、死刑囚として刑務所に収監されている役でした。「ラブパッセンジャー」では、ちょっと気弱でウンミの尻に敷かれてそうな役だから、想像つきませんが…。
でもウンミに対する愛情は本物!
アプローチも頼れる男を感じました。
パク・ソンフン(ジェウォン)

ジニが左遷された先の署長役。出世の道から外れ、周囲から距離を置かれている立場。でも部下思いで、仕事もできる上司。
1985年生まれ。身長183cm。
東亜放送芸術大学映画演劇学科卒
ちょっぴり鼻にかかった軽いハスキーボイスが、素敵。
「グローリー~輝かしき復讐~」(2022年)いじめる側の陰のリーダー、「涙の女王」(2024年)では、主人公に横恋慕する狂気じみたヒールでした。「ラブパッセンジャー」では、穏やかな優しい上司、さらにプライベートは奥手ときてる。
演技の幅が広くって、真逆なソンフン。
ギャップにびっくりです。
「イカゲーム」(2024年)では、トランスジェンダーでリーダー的な役とのこと。彼の新しい一面が見れますよ。
新ドラマ「暴君のシェフ」が決まっていたのですが、ヤラかしてしまって降板を余儀なくされました。自身のSNSに不適切な動画を間違ってあげてしまい、すぐ削除したものの間に合わなかったそうです。
厳しいようにも思います、日本でも炎上したかな…。
次の作品を待ちましょう。
OSTおすすめ (文月セレクト)
SAAY(セイ) – Kisss https://www.youtube.com/watch?v=MuHt2Xc
ポップ感たっぷりな面白おかしい事が起こりそうなワクワクする曲です。
이소정(イ・ソジョン)– Want to be Free https://www.youtube.com/watch?v=CV3KTfMfZ6Y
ちょっぴり切なさそな感じです。でも、前向きになれそう。
유연정(ユ・ヨンジョン) – Somebody Like https://www.youtube.com/watch?v=lkPTIBS2lBY&
可愛い歌声、リズム感が心地よい曲です。
OSTを聞ける音楽配信サービスは、アップルミュージックで、CDならAmazonで購入できます。
ストーリーの背景
韓国のシングルマザー事情
韓国ではシングルマザーの経済状況は、政府からの支援はあるものの日本と同様に厳しいです。社会的な偏見や就業の困難さ、また養育費の未払い問題などがあります。韓国政府は、「養育費履行管理院」といった組織を2015年に設立し、子を養育していない未払い親への制裁(運転免許の停止、出国禁止など)を強化しているそうです。
つい最近なので、ウンミがジニを育てるのには、ちょっと遅かったですね。
韓国の警察大学とは
警察大学は韓国社会において権威のある教育機関です。日本でいえば東京大学法学部+警察大学校を合わせたようなエリート養成機関であり、卒業生は警察組織の中枢を担うことが多いそう。競争率は10~20倍程度と非常に高い。卒業時に警部補という上位の階級に着任し、一般の警察官よりも早く昇進の機会があるとのことです。
ジニのおじいちゃんが誇らしげに話すのも納得。
まとめ
自立した母娘の、ケンカになってもお互いを思う愛情物語を楽しんでください。ホンワカ心があったかぁくなるでしょう。
また、人生を考えたくなるドラマです。
父母と暮らす家庭はもちろん良いです。一方、シングルでも、ジニのようにちゃんと社会人になっている子が大半です。社会的な偏見はしないようにしたいですね。社会からの虐待ですもん。親がいないことをハンデキャップと子供が思わないように願います。
また、自分一人でも育てる決意をしたウンミ。子育てでないにしても、こんな覚悟を私はしたことがあるかしら。
ちょっと振り返ってみた瞬間がありました。
でも、私の人生は私だけが楽しめるもの。
やっぱりチュ・ジフンが大好き‼
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